医師の「様子見」が落とし穴 脂肪肝を甘く見てはいけない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「NAFLDの中でも炎症を伴う『非アルコール性脂肪肝炎(NASH)』は、肝がんへの進行スピードが速い。吐血など突然の異変で救急搬送されてきた患者さんを診ると、すでに肝硬変、肝がんを発症していたというケースも珍しくない」

 ところが冒頭のように、脂肪肝の深刻さを患者に伝える医師は専門医以外では少数。また、伝えても患者は自覚症状がないので軽視しがちだ。

 さらに医師が深刻さを認識していても、線維化がどれくらい進んでいるかを調べるには肝臓に針を刺して調べる肝生検しかこれまでなく、専門医以外は必要かどうかの判断が困難だった。

「しかし、状況は変わりました。『フィブロスキャン』や『MRエラストグラフィー』という肝臓の硬さや肝臓の脂肪量を調べられる検査機器が登場し、保険適用で受けられる。線維化の速度を予測し、どれくらいのスパンで肝硬度や肝脂肪量をチェックしていけばいいのか、肝生検の必要性の有無を判断できます」

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