医師の「様子見」が落とし穴 脂肪肝を甘く見てはいけない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「肝硬変であっても、GPT(ALT)は基準値を超えて驚くほど高くはならない。わずかに基準値を超えている程度でも、肝硬変のリスクを否定できません」

★痩せているから脂肪肝ではない

「NASHは肥満と関連付けて考えられがちですが、アジア人は痩せていても脂肪肝(NASH)の疑いがある。最新研究では20歳の体重と比較してどれくらい太ったかが問題とされています」

★初めて脂肪肝と診断された。フィブロスキャンなどを受ける段階ではまだない

「毎年健診を受けているならまだしも、長年受けていない人では、気が付かなかっただけかもしれません」

 肝がんは、がん死因5位。回避できるチャンスを逃してはいけない。

■治療

「食事の見直しと運動。体重3%減で肝脂肪が落ち、5%減で炎症が鎮まり、7%減でNASHが改善され、10%減で線維化改善といわれています。糖尿病がある人はその治療も必須。脂肪肝の薬は現在ありませんが、米国で治験が行われており、数年先には日本でも使われるようになるでしょう」(中島主任教授)

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