独白 愉快な“病人”たち

星奈津美さん バセドー病乗り越え知った「練習できる幸せ」

「病気を通して成長できた」と語る星奈津美さん/(C)日刊ゲンダイ

 周りから「病気を克服してすごい」と言っていただくことが多いのですが、私自身は苦労して乗り越えたというよりも、一つ一つの場面で「病気をしたからこそ、こうなれた」と捉えていることが多い気がします。毎日練習できることが当たり前ではなく、幸せなことなんだと感じられましたし、手術をしたからこそ気持ちも体もリセットされ、前向きに頑張れた。病気を通して成長できた、プラスになった。そんなふうに思えるのです。

▽ほし・なつみ 1990年、埼玉県生まれ。1歳半からベビースイミングを始める。高校1年、2年のインターハイで200メートルバタフライを連覇。早稲田大学在学中に学生選手権200メートルバタフライで4連覇を達成する。2008年北京、12年ロンドン、16年リオデジャネイロと3大会連続で五輪に出場し、ロンドンとリオでは200メートルバタフライで銅メダルを獲得。昨年10月に現役引退を表明した。

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