当事者たちが明かす「医療のウラ側」

お年寄りの汗は上半身でたくさんかき、しょっぱい

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 汗の季節がやってきましたが、ひざから足首までの部分に汗をかいていますか? 

 いきなり妙なことを聞くようですが、実はこれ、あなたが肉体的にお年寄りか否かを知る目安のひとつなのです。お年寄りと若い人とでは汗のかき方が違います。

 お年寄りは汗をかくまでの時間が長く、汗をかき始めてからその量が増えるのに時間がかかることが知られています。

 もうひとつの違いは、どの部分の汗がよく出るか? です。気温の高い場所でお年寄りと若者の汗のかき方を比べてみると、汗をかく量が最も違っていたのは、ひざから足首までの下腿です。次に差が大きかったのは背中やお腹で、前腕部はほとんど差がないことが報告されています。

 つまり、上半身でたくさん汗をかき、下腿に汗をかかなくなった人はお年寄りというわけです。

■男性70歳、女性80歳頃に変化

 では、前腕部の汗のかき方が若者と比べて違いが出てくるのはいつからでしょうか? それはおおむね男性で70歳、女性で80歳といわれています。汗は体温調節をする機能がありますから、この年齢になると、高齢者は体温調節をする機能が大幅に低下してくる。つまり、熱がこもり熱中症になりやすくなるというわけです。

 しかも、年を取れば取るほど汗の塩分濃度は高くなります。ナトリウムを再吸収する力が失われるからだと思われますが、お年寄りは塩分の補給も大切になるのです。

 むろん、加齢による汗のかき方の変化は若者以上にお年寄りの方が個人差が大きいのが特徴です。住んでいる家や職業、生活スタイルに大きな差があるからでしょう。また、持病によっても汗のかき方は違うので、それも原因かもしれません。