人工骨はもう必要なしに? 「歯科インプラント」最新事情

関心があるなら歯科医師に相談を(C)日刊ゲンダイ

「骨が不足している場所に人工骨を充填して、数カ月後に天然骨になることを期待する治療法を骨造成といいます。サイナスリフト法はそのひとつです。奥歯の上あたりの上顎の骨には、上顎洞と呼ばれる空洞があります。通常インプラントは上顎洞の下の骨の部分に埋め込みますが、そこの骨が足りない場合は、上顎洞底面の粘膜(洞膜)を持ち上げて人工骨を挿入し、骨が定着するのを待つのです」

 もうひとつは、インプラントを埋め込むために十分な骨の高さがない場合に用いられるGBR法(骨再生誘導法)だ。骨の少ない箇所をメンブレンと呼ばれる特殊な膜で覆い、内側に人工の骨補填剤を混ぜたものを置く。すると人工骨の周りに骨芽細胞が集まり、数カ月で新生骨が出来上がるという。

「インプラントを埋め込む歯槽骨の高さが足りない場合は、『ソケットリフト』というやり方もあります。サイナスリフトのように横から骨補填材を入れるのではなく、下から押し上げ骨の高さを確保します」

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