もうひとつ、たばこの影響が強いCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の軽症の人は、肺腺がんになりやすいのです。
野際さんは過去にたばこを吸っていたという報道もありますから、その影響は否定できません。皆さんが気になるのは、治療法でしょう。
胸腔鏡手術は、メスで開胸することなく手術できるので、体の負担が軽く、がんを十分に切除できるケースなら高齢でも胸腔鏡手術が行われることは少なくありません。野際さんがそうだとは限りませんが、常に第一線の舞台に立ち続けていたことから考えると、その可能性は高い。
それでもがんは進行したのでしょう。2度目の手術が行われています。いくら肉体的な負担が少なくても、切除に伴う呼吸機能の低下は避けられません。2度目の手術後は、呼吸のつらさから、酸素吸入器を携行していたという週刊誌報道も見られます。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁