そして抗がん剤。野際さんのがんのタイプに適した分子標的薬が選ばれたのでしょうが、そういう治療を受け入れたということから、がんは少しずつ進行していたと思われます。
一連の報道や仕事ぶりから振り返ると、野際さんは治療選択の基準に仕事との折り合いを重視されていたのではないでしょうか。
早期の肺がんは、放射線で手術と同等の効果が得られます。照射はわずか4回。肉体的な負担は手術より軽く、手術のような呼吸機能の低下はほとんどありません。
日本のがん治療は手術偏重で、米国で6割を占める放射線治療が3割と少ない。概して最初の診断が外科医のことが多いため、手術が勧められやすいのです。では、どうするか。セカンドオピニオンは放射線科医に求めること。別の病院の外科医ではよくありません。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁