当事者たちが明かす「医療のウラ側」

ジェネリック医薬品でも依存 中国製がそんなに問題か?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 少し前に日本の原薬メーカーが風邪薬などの有効成分の一部を中国から輸入し、それを自社で作ったものに混ぜてかさ増ししていたことが報じられました。

 その影響で、「私が受け取った薬は信用できないので新しいものに取り換えて!」などと言う患者さんが少なからずいらっしゃいました。厚労省と和歌山県がこのメーカーに立ち入り検査を行い、品質調査をした結果、「目立った問題はなく、使用した場合も健康被害の恐れはない」と言っているのにもかかわらず、どうしても薬を替えろというのです。

 その背景には中国製医薬品に対する根強い不信感があるようです。しかし、これはあまりに現実を知らなさすぎです。いまや中国製の薬抜きで日本の医療が成り立たないことを日本人は知っておかなければなりません。

 たとえば公的保険で認められているジェネリック(後発)薬品の原薬等の調達状況についての調査によると、すべての工程を国内で製造する原薬を使用している品目は30.9%に過ぎません。中間体を輸入して国内で一部の反応工程を経る原薬を使用する品目は5.8%、粗製品または最終品を輸入して国内で精製、または加工する品目は8.2%、輸入した原薬をそのまま使用する品目は45.8%に上っています。これは厚労省の委託事業「平成24年度ジェネリック医薬品の信頼性向上のための評価基準等に関する調査検討事業報告書」にまとめられています。

1 / 2 ページ