大汗の後のビールも危ない 「夏の血栓症」はここに注意

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ちなみに健康な血管は、出血が収まると傷口周辺の内皮細胞が増殖して血管壁は修復される。その後は血液中のプラスミンという物質などの働きで血栓は溶かされ跡形もなくなるという。

「ところが動脈硬化や老化が進んだ血管はこのシステムがうまくいきません。血液がよどむことで、血栓ができることもあります。その代表が心房細動です。この病気は脳梗塞(脳塞栓)を引き起こしやすいことが知られていますが、それは心臓が震えるだけで血液を外に出せないからです。血液同士がぶつかり血栓ができるのです」

 若い人でもコレステロールや中性脂肪の高い人は血液の流れが悪くなる。

 ちなみに血流のよどみによって起きる血栓症は動脈より静脈に多い。飛行機内などで同じ姿勢で座っていると発症する下肢静脈血栓症は血液が心臓から吐き出される動脈よりも、心臓に戻る静脈の方が血流がゆっくりしているからだ。

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