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【早発閉経の不妊】卵巣に残る原始卵胞を活性化させる

聖マリアンナ医科大学病院生殖医療センターの河村和弘センター長(左は採取した卵巣組織)/(提供写真)

 これまで報告されてきたホルモン療法による原始卵胞の成熟率は年間0・3%なので、その差は歴然だ。

 手術で摘出した卵巣の余った部分は、凍結保存しておけば再度治療に使える。2人目、3人目の子供が欲しい場合や、未婚で将来、子供が欲しい人なども卵巣を凍結保存しておけば、原始卵胞は半永久的に保存できるという。

「早発閉経は発症前に『生理不順』の前触れがあることが多いです。将来、妊娠を望む女性で生理不順があれば、医療機関で『抗ミュラー管ホルモン』を測定(採血)して、卵巣の状態を確かめることをお勧めします。原始卵胞は時間がたつほど減ってしまいます。早発閉経の疑いがあれば事前に卵巣や卵子を凍結保存する対策が取れます」

 卵胞活性化療法の費用は患者の状態などによって大きく違うので一概にいえないが、海外で卵子提供してもらうよりはるかに安いという。

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