独白 愉快な“病人”たち

卵巣と子宮を摘出…やなせななさん手術決意に医師の信念

シンガー・ソングライターのやなせななさん(C)日刊ゲンダイ

 そのうち、不正出血の量がだんだん増えてきて、ついには1カ月間も止まらない状態になり、量も多くて洋服を着るのが嫌になるくらいケアが大変になってきました。家族からも「頬がこけてる」と指摘されて、やっと大きな病院の産婦人科を受診しました。それが同じ年の年末です。

 そのときの検査は、膣からチューブを入れて子宮の奥の組織をこそげ取るというものでした。麻酔はなく、検査後に広がった子宮が収縮するタイミングで鬼のような痛みに襲われました。検査が終わったとき看護師さんから「休んでいきますか?」と言われたのですが、そんなことになるとは知らなかったので、「大丈夫です」と軽く答えて診察室を出たんです。すると、間もなく強烈な痛みが走り、病院のトイレに倒れ込んで緊急ボタンを押すはめに……。とにかく恥ずかしかったです(笑い)。

 後日、検査結果を家族と一緒に聞きにいくと、「もうちょっと調べないとわからないので、1日検査入院しましょう」と言われました。私は「そうなんだ」と深く考えもしませんでしたが、後になって聞いた話では、家族はすでに病院から「子宮体がんの疑いがある」と連絡を受けていたのです。

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