2週間で“汗をかける体質”に 酷暑に負けない体のつくり方

今からでも遅くない(C)日刊ゲンダイ

 特に気温が上昇すると、皮膚の血管が拡張して皮膚表面に大量の血液を集めて汗をつくる。一方で皮膚温度を上げることで熱が体外へ逃げやすい環境をつくるという。

「このため、脳が指令を出して血液や心臓に大きな変化を起こします。内臓にたまった血液の多くを皮膚に向かわせ、心臓から押し出される血液量を快適な気温の場合と比べて2倍近くに増やします。その後、皮膚に血液を大量にとどまらせるために、心臓に戻る血液量が減ってしまいます。ただでさえ、汗をつくるせいで血液量が少ないのですから、心臓は収縮しても血液を押し出せない状態になる。心臓に負担がかかり、血液は固まりやすくなって脳梗塞や心筋梗塞のリスクが上がるのです」(菅屋名誉教授)

 この状態を改善するのが暑熱順化だ。体温上昇を先に察知して汗が早く大量に出るようになる。東邦大学名誉教授で平成横浜病院健診センターの東丸貴信医師が言う。

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