朝起きたらぐっしょり…「寝汗」には意外な病気が潜む

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「もちろん、寝汗だけで診断できるほどこれらの病気は単純ではありませんが、手掛かりになることは間違いありません。ただ、暑いこの時季に、寝汗で気をつけたいのは、薬物治療を受けている糖尿病の患者さんです。気づかずに夜間低血糖を起こしているかもしれません」(石原院長)

 低血糖になると、体が冷えるのに全身に大量の汗をかく。「アドレナリン」「ノルアドレナリン」などのホルモンを分泌して低血糖に対抗しようとするからだ。

「ノルアドレナリンは強い血管収縮作用があり、低血糖になると皮膚に血液が集まらず皮膚温度は急に低下します。これに汗の蒸発が伴ってますます皮膚が冷たくなるのです。一方で、熱産生作用のあるアドレナリンの働きで体内の熱は増える。これを冷ますため、さらに熱放散量を増やそうとして汗を大量にかくのです」(石原院長)

 低血糖を放っておくと命が危険になる。医師に相談する必要がある。

 たかが寝汗といっても侮ってはいけないのだ。

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