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【痔】「入院手術」で術後最初の排便と入浴の不安を払拭

寺田病院・大腸校門病センターの寺田俊明理事長(提供写真)

 同センターが入院手術を基本とするのは、専門性の高い手厚い治療を診療方針とするからだ。術後、最も大切になるのは排便コントロール。排便がスムーズにできないと、手術した患部が細菌感染して腫れてしまう場合もある。

「日帰り手術の場合、患者さんが家に帰って最も不安を感じるのは術後、最初の排便と入浴です。さらに術後の痛みも加わります。入院手術では、その最も不安が高い排便やお尻の洗い方などを入院中に指導することができます。痔の治療では術後の管理、心のケアも大切なのです」

 入院日数は手術内容で異なる。痔核の場合、痔核を切除する「結紮切除術」が1カ所であれば術後3日後に退院、2カ所以上であれば術後6日後に退院となる。術後の痛みが引くのもこれくらいかかるという。

■40歳以上は術前に大腸内視鏡検査

「肛門からの出血は痔だけとは限りません。当センターでは、40歳以上で便秘を伴ったり、若い人でも下痢を伴うような場合には、大腸がんや潰瘍性大腸炎などの他の疾患を見逃さないように術前に必ず大腸内視鏡検査をします。検査をすると術後、最初の排便までに1日半くらいかかります」

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