精神的・経済的に負担大 不妊治療のネックは周囲の無理解

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 先月13日に開催された「不妊治療プレスセミナー」で、「NPO法人Fine」理事長の松本亜樹子氏が「当事者が語る妊活および不妊治療の課題」について講演を行った。同法人は、不妊治療経験者が不妊や不妊治療に関する啓発活動などを行う団体だ。

 松本氏によれば、2014年に国内の医療機関で行われた体外受精は約39万3700件。この年の全国の出生児における体外受精の子供の割合は21人に1人で、この数は1990年以降、右肩上がりだという。

 ただし、いまだに不妊治療はマイノリティーであり、それゆえの課題がある。それは、身体的・精神的・経済的・時間的な負担で、特に精神的な面では、「病院へ行くのに抵抗がある」「努力しても報われない」「子供ができない=駄目な人間」「パートナーとの治療への意見の食い違い」など、日々の中でさまざまな負担を抱えていることが浮き彫りになった。

 経済的な負担も大きく、しかし助成金は削除される方向にある。

「それならせめて働いて自分で治療費をまかないたい」と考える声があったが、治療と仕事の両立は非常に困難で、それゆえに精神的な不安が募る結果を招いていた。

 松本氏は、不妊(治療)に対する正しい知識の啓発が、学校、職場、男女間において必要だと強調した。

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