夏に負けない

血糖値が気になる人 おやつは「時間」で食べないこと

大事なのは炭水化物の量だ
大事なのは炭水化物の量だ(C)日刊ゲンダイ

「頭を使う仕事だから栄養が必要」と言って、おやつを習慣化している中高年は改めた方がいい。よく、「それはカロリーを取り過ぎるためだろう」と考える人がいるが、そうではない。糖尿病専門医で「AGE牧田クリニック」(東京・銀座)の牧田善二院長に聞いた。

「血糖値を調節するインスリンは、すい臓のβ細胞内で作られた後に分泌顆粒と呼ばれる細胞内小胞に貯蔵されます。食物を口にして血糖値が上昇すると、分泌顆粒膜と細胞膜が融合し、中に貯蔵されていたインスリンが細胞外である血液中に放出されます。つまり、おやつを食べると、ようやくためこんだインスリンが使われてしまい、本格的な食事の際にインスリンが不足してしまうのです」

 そうなると、食事をしたときにインスリンが十分働かず、血糖値が急上昇してしまう。

 とはいえ、「食べずに我慢するのは無理」という人もいるはずだ。どうしたらいいのか。

「まずおやつのタイミングを変えましょう。午前10時、午後3時といった『時間』で食べるのではなく、お腹がすいてから食べること。1回は我慢してみましょう。できたら、外出前とか力仕事をする前など体を動かす前に食べるといいでしょう。おやつとして食べた分のカロリーを燃焼するからです」

 もちろん、おやつとして何を食べるかは重要だ。糖分が多いので清涼飲料水やスポーツドリンクはNG。血糖値が上がりやすいので、和菓子と洋菓子なら洋菓子を選んだ方がいい。

「せんべいなどの甘くないものは血糖値を上げないと思い込んでいる人がいますが間違いです。確かに甘いものはカロリーが高く、体重増につながるので注意は必要ですが、甘い食べ物と血糖値とはあまり関係ありません。大事なのは『炭水化物の量』であり、せんべいはその量が多いことは覚えておくべきです」

 では、暑くなると食べたくなるアイスクリームはどうか?

「食べ過ぎてはいけないのは当然ですが、糖質控えめのアイスで量が少なければ悪くありません。むしろ、我慢する方が問題です」