受診までの「応急処置」

【熱中症】意識がない場合は水分は無理に飲ませない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 このような処置を取ったら水分補給をさせる。大量に汗をかくと塩分などの電解質も失われるので、できればスポーツドリンクなどがいい。ただし、「意識がない」「声かけの反応がおかしい」場合には、水分は飲ませず救急車の到着を待った方がいいという。無理に飲まそうとすると、誤って水分が気道に流れ込む危険性があるからだ。

「もうひとつのポイントは、自力で水分を飲めるかどうかです。たとえ意識がしっかりしていても、水分を『飲めない』『むせる』『吐いてしまう』場合には口からの水分摂取は禁物。病院での点滴が必要です」

 これらの応急処置は、主に炎天下、屋外での発症を想定したケースだが、熱中症は屋内にいても起こる。気温が高くなくても湿度が高いと汗が蒸発しにくく、熱がこもりやすい。特に高齢者は汗をかきにくく、典型的な症状が出にくい。どうすればいいのか。

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