血糖値が気になる人 夜間の視力低下や目のかすみにご用心

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 糖尿病が怖いのは糖尿病そのものでなく、合併症だ。中でも深刻なのは糖尿病網膜症で、糖尿病と診断されると10年以内に5割が発症する。気付いた時には手遅れというケースも少なくなく、年間3000人近くが失明している。

 糖尿病専門医で「AGE牧田クリニック」(東京・銀座)の牧田善二院長に聞いた。

「本当は糖尿病なのにそうでないと思い込んでいて、知らず知らずのうちに網膜症が進行している人がかなりいます。会社の健康診断で『要検査』と指摘されても、“同じ指摘をここ何年も受けているけど自覚症状がない。オレは大丈夫だ”と勝手に信じ込み、失明寸前で病院に駆け込む人は少なからずいます」

 糖尿病網膜症は眼底にある光や色を感じる網膜の血管がジワジワと損傷を受ける目の病気。最初は小さな点状の出血や、血管から液体が漏れだす単純糖尿病網膜症を発症する。やがて血管が詰まるなどして、それをカバーするための新たな血管が出来る準備段階である前増殖糖尿病網膜症となり、最後に新生血管が破れて大出血を起こす増殖糖尿病網膜症を発症する。

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