治療上、どうしても必要な薬があるのは確かですが、一方で必要以上に薬が用いられている状況があるのもまた事実です。医療者として、すべてやめてしまえとは言えませんし、患者さんに誤った先入観を植え付けるのは本意ではありません。薬を適正に無駄なく使ってもらうために、「正しい薬のやめ時」を知っていただきたいのです。「やめ時を知る」ということは、「どこまで継続するかを知る」ということです。患者さんにとって「必要な薬の見極め」の助けとなればよいと考えています。
ものすごくシンプルに表現するならば、健康な状態と比べて、体内で足りていない物質があるなら補う薬を使う。多すぎるなら減らす薬を使う。健康な状態かそれに近くなったら薬をやめる。ただそれだけのことなのです。次回から、正しい薬のやめ時を具体的に紹介していきます。
クスリと正しく付き合う