独白 愉快な“病人”たち

脳梗塞から復活のラモス瑠偉 味覚変化で“コーラが洗剤”に

今も週に1、2回はリハビリに通う(C)日刊ゲンダイ

「死んでいてもおかしくない……。再発しちゃいけない……」――。

 救急車で病院に運ばれたとき、もうろうとした意識の向こうで医師の会話が耳に入ってきて、そのときは正直言ってビビりました。「二度と奥さんや子供に会えないのはツラすぎる」と思ったし、「たとえ助かっても、再発して死ぬのか? それとも、とんでもない状態になるのか?」なんてことを考えたような気がします。

 次に目覚めたのは、それから5時間後のこと。娘の顔が見えたので「何やってるの?」と聞いたら、「お父さんこそ何やっているの」と言われました。

「脳梗塞」で倒れたのは、去年の12月29日の朝でした。突然の痙攣でベッドから転げ落ちて、ベッドに戻るため立ち上がろうとしてもダメで、もがいていたら妻がすぐ救急車を呼んでくれたのです。

 血管に詰まっていた血の塊はゴルフボールよりも大きく、左半身がまひして左手も左足もまったく動きませんでした。でも初めはその重大さがピンとこなくて、「なんでこうなっているのかな?」と、ただただ不思議な感じ。医師から「リハビリで少しは元に戻る」と言われたので、「少しってどれくらい?」と聞くと、「人による」と言うんです。そのとき、「じゃあ、俺は90%戻してやる」って思いました。だから、めちゃくちゃリハビリしましたよ。医師が「回復力が尋常ではない」と言うくらい(笑い)。

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