心筋梗塞や脳梗塞も 肉好きの「便秘」に潜む重大リスク

お腹が張って苦しいだけではない(C)日刊ゲンダイ

「ネイチャー・メディスン」(2013年5月号)に掲載された米国クリーブランドクリニックの研究者らの論文では、心機能検査を受けた男女2595人の記録を解析したところ、TMAO濃度が高いほど心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患リスクが上昇していたという。同様の研究が他に複数報告されている。

■食事によるコレステロール摂取量は20%

 しかし、動脈硬化の原因は肉やバターなどの動物性の脂肪に多く含まれる脂肪酸が血液中のコレステロールを高めるからではなかったのか。

「以前はそう考えられていましたが、いまは違います。飽和脂肪酸の摂取量を減らすほど脳梗塞や脳出血などの脳卒中が増える。そんな従来の考えとは逆の研究結果も報告され、コレステロールや飽和脂肪酸だけでは、動脈硬化を説明できなくなったのです」

 食事によるコレステロール摂取量は全体の20%程度と少ない。それもあって、2年前から米国農務省・保健福祉省から「食事でのコレステロール制限は必要なし」と発表され、日本でも「日本人の食事摂取基準2015年版」からコレステロール摂取の上限制限は撤廃されている。

3 / 4 ページ

関連記事