心筋梗塞や脳梗塞も 肉好きの「便秘」に潜む重大リスク

お腹が張って苦しいだけではない(C)日刊ゲンダイ

「人は住んでいる土地の風土や食習慣、生活習慣、体質などによって腸内細菌叢の常在菌の分布が変わってきます。腸内細菌叢は血液型のように型があって、肉食中心の人に多い細菌叢、菜食中心の人に多い細菌叢など3つに大別する研究者もいます。そのタイプによってTMAを代謝する能力が違っていて、同じ肉や卵黄を食べてもそのタイプによって動脈硬化が促進されやすかったり、そうでなかったりするといわれているのです」

 つまり、動脈硬化になりやすいかは肉などの食べ物というより、その人が持っている細菌叢の機能の違いということか。

 腸内細菌叢は短期では無理だが、長期の食事の変化では変わるのではないかとの見方もある。そう考えれば世界各地で報告されている、食の西洋化で心血管イベントが増えるエリアがあるというのも納得がいく。2度の心臓手術を受け、家族にも心臓病を患ったことのあるクリントン元米国大統領は7年前から完全な菜食主義に切り替えている。これも腸内細菌叢の変化を意識したものかもしれない。

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