数字が語る医療の真実

かっけの撲滅に奮闘した医師 麦飯採用で陸軍が「変身」

 まず、大阪鎮台という一地方部隊で兵士の食事が白米から麦飯に変更されます。明治17年の暮れ、高木兼寛の戦艦筑波の実験の前年です。

 効果は翌年すぐに明らかになります。62人の連隊のうち35人がかっけになるというような状況の中、部隊全体でのかっけがゼロになったのです。

 262人中32人がかっけの発症という筑波の結果に比べて、はるかに大きな患者の減少です。

 白米を麦飯にすればかっけを撲滅できる、そんな結果です。

 しかし、麦飯によってなぜかっけが減るかはいまだ謎のままです。

 そして、この事実を知ってか知らぬか、その半年後には洋食普及に困難を感じていた高木兼寛も、海軍で麦飯を採用するのです。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)、「逆説の長寿力21ヵ条 ―幸せな最期の迎え方」(さくら舎)ほか。