中には、再発はないのに正常値よりも少しだけ高い状態が続く方もいらっしゃいます。なぜそうなるのかは分からないのですが、患者さんも我々も心配しながら、定期的に経過を見ていきます。
多くのがんでは、根治手術後5年経過してCT検査などでも再発がない場合、そして腫瘍マーカーの値の上昇がない場合は「治癒した」と判断します。腫瘍マーカーが高い値を示すがんでは、抗がん剤治療ではその効果の指標になります。治療が効いているのかどうかの目安に、腫瘍マーカーを月1回の採血でチェックしているのです。
しかし、腫瘍マーカーの値が、がんの大きさをそのまま表すわけではありません。ですから、腫瘍マーカーが下がるのはいいのですが、どのくらい小さくなったか、消えたか、あるいは大きくなったかはCT画像などで判断します。腫瘍マーカーはあくまで指標であって、がんそのものの存在は、画像ではっきりさせるのです。
がんと向き合い生きていく