受診までの「応急処置」

【心筋梗塞】意識を失ったらすぐに心臓マッサージ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 心筋梗塞の重苦しい強い胸の痛みは、ピンポイントで場所を表現することはできない。あえて言えば「胸の中央辺り」。中には「胃が痛い」と訴える人もいるという。肩や背中、あごや歯などが痛む関連痛もある。「冷や汗」や「吐き気」を伴うこともある。

「糖尿病の人は合併症の神経障害で胸痛が出ない場合があります。その時は『冷や汗』が重要なポイントになります。冷や汗は自律神経の症状で、重症な人ほど出やすい。心筋梗塞の疑いがかなり強くなります」

 これらの症状が30分以上続くようなら、すぐ救急車を呼ぶ。心筋梗塞で死亡する人の半数以上は発症から1時間以内に集中しているが、それは心室細動(危険な不整脈)が起こるからだ。この時に不整脈のため気を失う。

「腹痛だと思ってお風呂に入ってしまう人がいますが、絶対に入らないでください。脱水を起こして、さらに悪化させてしまう。心房細動を起こす危険性も高くなります」

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