独白 愉快な“病人”たち

漫画家・東海林さだお氏 肝細胞がんと闘い辿り着いた境地

手術では“レバ刺し1人前程度”を切除、転移はなかった/(C)日刊ゲンダイ

 肝臓の左上部に影があり、それががん細胞の疑いがあること。それを手術で切り取ること。手術したら転移している可能性もあるが、その場合、転移の範囲が広いと手術は諦めて抗がん剤や放射線の治療を考えること。そんな説明を受けました。主治医は温厚にして磊落な人で、冗談を織り交ぜつつ話をしてくれるので、気分的には助かりました。

 また、ぼくの手術は難易度をABCとした場合、「Bに近いAである」とも聞き、「どのくらいAに近いんだろう? AとBとの距離感は?」と疑問は湧いたものの少し安心しました。

■入院生活で気づいたこと「孫の手は必要」「ペットボトルが開けられない」

 そこから42日間の入院生活が始まりました。といっても、特に派手なことがあるわけでもなく、淡々と粛々とスケジュールをこなしていくという感じでした。

2 / 6 ページ

関連記事