独白 愉快な“病人”たち

漫画家・東海林さだお氏 肝細胞がんと闘い辿り着いた境地

手術では“レバ刺し1人前程度”を切除、転移はなかった/(C)日刊ゲンダイ

 まずは手術。日程を聞いても、家族も医者も何も言いませんでしたが、手術は11月13日の金曜日でした。病室で手術着に着替え、手術室には歩いて向かいました。当然といえば当然ですが、ノーパンです。人前でノーパンで歩くのはヘンな気分だなぁと思いましたが、これから大手術を控えている身。それを気にしても仕方がありません。

 名前を呼ばれ、手術室に入り、脊髄から全身麻酔を行いました。とても痛いと聞いていたのでビクビクしていたのですが、そうでもない。「これは今後、全身麻酔をする人に教えてあげなければ」と思っているうちに意識は途切れ、きっかり4時間後に目が覚めました。

「手術は成功!」と主治医に言われ、麻酔がまだ効いているせいか痛みもなく、腹部右側の全長40センチほどのL字形の患部を「なんでこんなところにこんなにも大きな傷ができたんだろう」と思いつつ、目を閉じました。

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