夏に負けない

蚊による感染症を防ぐ 狙われるのは飲酒、運動後、O型

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 蚊は人が発する「体温」を察知し、「二酸化炭素」「汗」などの「におい」に反応する。

 実際、お酒を飲んだとき、運動で呼吸が荒くなったとき、汗をかいたときに蚊に刺されやすい。

 また、大人より体温が高い妊婦や赤ちゃんの方が蚊に狙われやすいことは誰もが知っているはずだ。

 蚊は白より黒を好む。そのため薄い色の服を着ている人よりも濃い色の服を着ている方が刺されやすい、と言う人もいる。

 さらに蚊にはABO血液型の好みがあって、O型が狙われやすい。長浜バイオ大学(医学情報学)の永田宏教授が言う。

「400種類ともいわれる蚊が好むにおいのひとつに血液があり、蚊はそのなかでO型が一番好みのようです。ABOの血液型は赤血球の表面に結合している『糖鎖』と呼ばれる物質の種類によって決定します。A型、B型、O型によって、その化学構造が少しずつ異なっていて、AB型は赤血球にA型糖鎖とB型糖鎖の両方の糖鎖が結合しています。唾液や皮膚表面にも血液型糖鎖があります。蚊はそれを察知して、好みの血液型を選んでいる可能性があるのです」

 実際、アフリカの蚊の消化管の内容物を調べたところ、人口割合以上に多くO型の血液を吸われていた。

 人の腕に蚊がとまる頻度を調べる研究でも、O型は非O型に比べて2倍ほど蚊に刺された。

 一卵性双生児18組の姉妹と二卵性双生児19組の姉妹の血液を置き、蚊がどちらを好むかを調べた英国の研究も興味深い。結果は一卵性双生児の血液は姉妹とも蚊を引き寄せたか否かに差異はなかったが、二卵性双生児は姉妹間で差が出たという。

「一卵性双生児は同一の遺伝子を持ち、二卵性双生児は異なる遺伝子を持つことから、遺伝子の中に蚊を引きつける成分が存在する可能性があると結論付けたのです」

 いずれにせよ、蚊を寄せ付けないためには人の肌への接近を嫌がるにおいが必要だ。人への害が少ないといわれるイカリジン入りの虫よけ剤を使うのがおすすめだ。