■HIVやがんの前兆の場合も
「この病気が厄介なのは、発疹前の痛みの段階では片頭痛や肋間神経痛などと間違えやすいこと。患者さんによっては痛みがなかったり、軽い場合もある。放置してしまうケースも多いのです」
実際、水ぶくれとなった発疹はその後1週間ほどでカサブタになり、さらに1週間も経つと剥がれ落ちる。放っておいても自然に治る人もいる。
「このことがさらなる災難を呼ぶことがあります。帯状疱疹の痛みは一時的な炎症の痛みです。抗ウイルス剤や鎮痛剤で軽くすることができます。それを放っておくと、水痘・帯状疱疹ウイルスが神経を攻撃し、神経そのものを変性させる程度が強くなります。結果、痛みが長期間続く。これが帯状疱疹後神経痛(PHN)で、20年以上苦しむ人もいます」
帯状疱疹の背後には糖尿病のほか、がん、白血病、HIVなどの重大病が隠れていることもある。