「HIV患者さんの中には帯状疱疹が最初の体の異変という人も多い。私も複数のHIV患者さんを見つけました。がんや白血病も免疫力が落ちるので、帯状疱疹の発症リスクは上がります」
がんや白血病の治療として、抗がん剤や放射線を浴びることで帯状疱疹が表れることもある。
「神経障害が出るほど重症化した糖尿病患者さんは、帯状疱疹にかかりやすく、かかっても気がつきにくい。治療が遅れがちです」
帯状疱疹は合併症にも気を配る必要がある。
「お腹にできた帯状疱疹は『腹筋の片側の麻痺』『大腸の動きの低下』『腹部膨満』を起こす場合があります。腸管に排泄物がたまる『イレウス(腸内閉塞)』にも注意しましょう」
お尻にできると膀胱や直腸の神経を麻痺させ、オシッコが出なくなったり直腸の動きが悪くなって便秘になるケースも。「角膜炎」「強膜炎」を発症させることもある。耳の近くに発症すると、めまいや難聴、顔面神経痛などのラムゼー・ハント症候群と呼ばれる症状を引き起こす場合もある。
帯状疱疹は発疹ができた直後に治療すれば重症化は免れる。ワクチンで発症を半分に抑え、PHNを66.5%抑えられる。心当たりのある人は医師に相談することだ。