失神は原因別に3つに分けられる。①「起立性低血圧」②「自律神経の失神(反射性失神)」③「心臓の病気による失神(心原性失神)」だ。
「失神が適切に診断されないと、不整脈を伴う危険性の高い心原性失神(全体の約30%)が見逃される可能性があります。実際には反射性失神が最も多い(同約50%)が、リスクが低いので受診しても『心配ない』や、診断がつかなくて『異常なし』と言われて、きちんと医療が介入できていないことも問題です」
心原性失神では、ペースメーカーや除細動器の植え込み、カテーテルアブレーション、内服薬などの治療が必要。リスクの低い非心原性失神でも、生活指導を基本に失神を防ぐ回避法や訓練法の治療法がある。
■日本には100カ所程度の専門施設が必要
失神の鑑別にはさまざまな検査が行われるが、同センターの診断率は2カ月(来院2~3回)で70%、入院検査が必要でも半年以内に90%は診断がつくという。
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