高瀬医師によれば、「脱水↓譫妄↓転倒骨折↓認知症」というように、まさに負のスパイラル。譫妄は認知症の症状としても出てくるため、「認知症↓譫妄↓転倒骨折↓認知症の悪化」という図式もできる。
それだけではない。認知症になると温度変化を感じにくくなる。暑い部屋の中、エアコンもつけず、ドアも窓も閉め切り、一日過ごす高齢者も珍しくない。
このことから、「認知症↓脱水↓認知症の悪化」といった図式もできるのだ。
「体内の水分は筋肉に保たれるので、筋力が低下している高齢者は体内の水分量が少なく、もともと脱水を起こしやすい。それも負のスパイラルに関係しています」(高瀬医師)
■安易な水分補給も問題
さらに、脱水を起こしている時に水や茶を飲むなど、安易な水分補給も問題だ。