独白 愉快な“病人”たち

がん手術を通算8回 黒沢年雄は「もうお葬式も済ませた」

手術の経験は「全部いい思い出」/(C)日刊ゲンダイ

■セカンドオピニオンの必要性を実感

 手術は内視鏡で済むはずでしたが、のぞいてみたら思いのほか大きかった。そのため、転移の可能性を考慮して、後に開腹手術でポリープ周辺の腸管とリンパ節を切除したんです。医師には「開腹手術をしなければ3カ月から半年で死んでいた」と言われました。

 我ながら運良く命拾いできたと思いました。そしてこの経験があってから、セカンドオピニオンやサードオピニオンの必要性を実感しましたし、人生観も変わりました。がんの恐怖、入院、手術、開腹の痛みなどはもちろんつらいことではあったけれど、命が助かって、また元気に過ごせることの何と楽しいことか。あらゆる困難は、楽しいことへの序章なんだと悟ったんです。

 2008年には血尿がきっかけで膀胱がんが見つかりましたが即手術して完治。3年前には食道がんと胃がんで計4回手術して、がんの当たり年みたいだったけれど、どちらも年に2回の検査の中で“初期の初期”で見つかっているから内視鏡手術だけで終わりでした。

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