受診までの「応急処置」

【脳梗塞】仰向けに寝かせ頭は高くしない 病院へは救急車で

脳梗塞の際は救急車で病院へ(C)日刊ゲンダイ

 では、救急車が到着するまでに、どのような対応をとればいいのか。

「基本的にはあおむけに寝かせて、頭を高くしないようにします。立ち上がったり、歩いたりすると、脳への血流が悪くなり、脳の障害がひどくなる恐れがあるからです。吐きそうなときは、おう吐物が気道に詰まらないように注意が必要です。その場合、体の右側を下にして横に寝かせます。こうすると胃の形から吐きにくくなります」

 片麻痺を起こしている側の腕は丁寧に支えて扱うこと。扱い方が悪いと、簡単に脱臼や骨折をしてしまうという。

 糖尿病で治療している人では、低血糖で意識が低下している症状が脳梗塞と区別がつきにくい場合がある。その際には、砂糖(ブドウ糖)をなめて改善するかを確認するのがいいという。

「脳梗塞の前ぶれの『一過性脳虚血発作』も見落とされやすい。脱水が誘因になりやすく、動脈硬化で血流が一時的に低下して脳梗塞の症状が表れる。ところが多くは数十分から数時間以内(定義は24時間以内)に症状が治ってしまいます。この場合も放置すると、本格的な脳梗塞を発症するリスクが高いので危険です」

“症状が軽いから”といってタクシーで病院へ行くのは、やってはいけない。必ず救急車を呼ぶようにしよう。夏場は脳梗塞予防のためにも「飲酒後」「入浴後」「寝る前」「起床後」の水分補給はしっかりやろう。

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