投与で進行リスク2割減 乳がん治療薬に新たな「第1選択」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 愛知県がんセンターでは、乳がん患者1771例の再発時期を調査した。ホルモン受容体陽性では199例が再発。5年以内の再発が多いものの、47例(23・6%)は5年目以降に再発した。一方、ホルモン受容体陰性では112例が再発し、そのほとんどが5年以内に集中。5年目以降は7・1%に過ぎなかった。

「ホルモン受容体陽性の再発乳がんの特徴として、比較的、術後年数が経ってからの再発例が多い。さらに最初の再発部位の調査では、骨転移が多い傾向にあり、脳転移の出現は平均5年で、脳転移発生後の予後は短いことが判明しました」

■ポイントは抗がん剤切り替えのタイミング

 今回、治療法が変わったのは、ホルモン受容体陽性の、閉経後の進行・再発乳がんだ。

 乳がん治療に使われる主なホルモン剤は、作用メカニズムが異なる「抗エストロゲン薬」「アロマターゼ阻害薬」「LH―RHアゴニスト製剤」「黄体ホルモン薬」がある。初回に使用される薬は、当然ながら、「最も効果が高い」と試験で証明されたものだ。

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