投与で進行リスク2割減 乳がん治療薬に新たな「第1選択」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「かつては抗エストロゲン薬の『タモキシフェン』という薬が第1選択でしたが、アロマターゼ阻害薬の方が効果が高いことがわかり、そちらが第1選択になりました。そして新たに、抗エストロゲン薬の『フルベストラント』が効果が上回るという国際試験の結果が出たのです」

 それにより、閉経後の進行・再発乳がんのホルモン療法の第1選択は、フルベストラントになった。試験では、アロマターゼ阻害薬よりも奏効期間(薬が効いている期間)が約8カ月長く、臨床的有用期間(臨床的に有用性が認められた期間)が3カ月長かった。この薬を使うことで、従来より、病気の進行リスクを20%減少できるという結果も出ている。

 選択肢が増えたことで、今後の進行・再発乳がん治療のポイントは「可能な限りホルモン療法を行う」「抗がん剤に移行するタイミングを見逃さない」が重要になる。

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