その結果は、ホルモン療法を受けていない76人のうち、再発したのは38人(50%)。一方、ホルモン療法を受けていた86人のうち、再発は19人(22%)。5年無再発生存率は、ホルモン療法群では76%、非投与群では40%と有意な差が出た。
「多変量解析によって、ホルモン療法を行うと膀胱がんの再発が約70%抑制されることが分かりました。また、性ホルモンが膀胱がんを発生させる原因物質のひとつであることが初めて臨床的に証明されたことになります」
■米国で治験が進行中
泉医師らの研究報告後、米国では実際に膀胱がん患者にホルモン療法を行う2つの治験(15年2月~と16年1月~)がスタートしており、第2相試験が進行中という。
「私たちも今後は、膀胱がん単独の患者さんを対象にした研究ができるように、準備を進めているところです」
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