染色体、性器、心…“赤ちゃんの性”一致するとは限らない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 そのため、出産直後の赤ちゃんの性を外性器だけで見極めることは難しい。生まれたばかりの赤ちゃんの外性器を見た場合、完全な女性型と完全な男性型以外に中間型があり、さらに5分類されるという。

 にもかかわらず、日本の戸籍法で「出生の届け出は14日以内」と定められているのは問題だ。曖昧な状態で社会的な性別が決定されてしまえば、その後、本人や家族が苦しむこととなる。

「戸籍法では性別、名前は未載で提出して後で追完できますが、その記録が戸籍に残ってしまいます。正当な理由があれば届け出の期限延長ができますが、家庭裁判所で数カ月の審議が必要になります。後日の変更も記録に残ります」

■思春期での「変化」に戸惑いも

 大病院などではこうした事例を何度も経験しているため、いまはDSDの疑いがある赤ちゃんには、専門医らがチームを組んで社会的、養育的、法律的に適切な対応が取られるという。しかし、半数以上の赤ちゃんはそういう医療環境では生まれていないのが現状だ。

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