■治療を諦めずにがんが消失した患者さんも
胃がんを患い、某国立大学病院で胃全摘の手術を受けたCさん(56歳・女性)は、手術の2年後、肝臓に転移があることがわかりました。すぐに同じ病院でシスプラチンと5―FUによる抗がん剤治療を受けましたが、効果は認められず、主治医から「抗がん剤による治療をあきらめて、緩和治療を受けてはどうか」と勧められたといいます。
そんなCさんは、私たちの病院にセカンドオピニオンのために来院されました。娘さんがインターネットで調べてくれたとのことでした。
持参されたCT写真では、肝臓の中央部に長径6センチのがんの転移を認めました。しかし、これまでの抗がん剤治療は量も期間も十分ではなく、次の治療として使える薬もまだ残されていました。そして、患者さん自身が抗がん剤による治療で闘う意思がはっきりしていることもあり、紹介元の病院の了解を得て、私たちの病院に転院して治療することになったのです。
がんと向き合い生きていく