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脱毛症長新東京クリニック/美容医療・レーザー治療センター(千葉県松戸市) 瀧川恵美センター

新東京クリニック 美容医療・レーザー治療センターの瀧川恵美センター長(提供写真)

 臨床試験は、薄毛を気にするボランティア26人(男性16人、女性10人=平均年齢45歳)を対象に実施。PRP投与前と投与後(2~3週間隔で5回)の「毛髪数」と「毛の断面積(太さ)」を評価した。結果は、毛髪数では有意差はなかったが、太さの平均増加率では大きな有効性を認めた。

 瀧川センター長がPRP療法による脱毛症治療を実際に外来で開始したのは15年から。これまで13人(男性5人、女性8人)の患者が治療を受けている。基本的に毛根が残っていれば、どんなタイプの脱毛症でも適応になるという。

「これまでの症例では、男性はすべて男性型脱毛症(AGA)で、1人は円形脱毛症を合併していました。女性は、頭髪全体が抜ける全頭型の円形脱毛症が4人、先天性縮毛症(毛が縮れる)が1人、びまん性脱毛症(女性のAGA)が3人です」

 治療手順は、採血後、PRPを抽出・調整している間に、約1時間かけて頭部に表面麻酔(クリーム)とブロック注射で麻酔をかける。そして注射器6~7本分のPRPを脱毛した範囲に細かく注射(30~40分)していく。この治療を1~2カ月に1回行う。約5回の投与で改善が見られ、その後は維持治療を行う。現在、平均治療回数は7回である。

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