いまさら聞けない歯科インプラント

治療のタイミングは どの歯が抜けたら検討すべきなのか?

噛めなくなったら…(C)日刊ゲンダイ

 こうなると、やせた顎の歯槽骨の骨量を増やすことから始めなければならず、インプラントを入れるスペースをつくることも必要になる。

「通常のインプラント治療より複雑になり、治療期間も長く、費用もかかります。ですから、天然歯が抜けたら、できるだけ早い段階でそれを補う処置やインプラント治療を検討した方がよいでしょう」

 とはいえ、歯が抜けるたびにインプラント治療をしていたのでは、いくらお金がかかるのか分からない。どの歯が抜けたら、インプラント治療を検討すべきなのか?

「奥歯が抜けたら考えた方がよいでしょう。食事中や就寝中、奥歯に自分の体重程度の負荷がかかるといわれています。それが失われたら、よく噛めずにのみ込むことになるので、胃腸に負担がかかります。また、歯を噛みしめることは脳の血流を良くすることが分かっています。奥歯だけで7割から8割の咬合力を支えているので、他の歯と違ってブリッジでカバーするのは残存歯の影響を考えると長期的に難しい。入れ歯では咬合力が弱いし、長期間使うと顎の歯槽骨がやせて合わなくなる恐れもありますからね」

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