論文が世界で注目 胆道がんをほぼ確実に発症させない方法

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 健康診断の範囲で、合流異常の非拡張型を見つけられないか――。神澤医師らが着目したのは「胆嚢壁の厚さ」だ。

 合流異常があると、膵液が胆管に逆流し、胆嚢壁に炎症が起こる。生まれてから何十年と胆嚢壁に炎症を繰り返すと、胆嚢の粘膜が過形成といって厚くなり(胆嚢壁肥厚)、その後がんに進展する。

「胆嚢壁肥厚なら健診の超音波でも明らかに分かります。今までは胆嚢壁が厚くてもそのままでしたが、胆嚢壁肥厚がある人にはMRIを行うようにすれば、合流異常の発見率が高まります」

 もちろん、「胆嚢壁が厚い」が「合流異常」や「胆道がん高リスク」とイコールではない。ただ、非拡張型のスクリーニング法としては現段階で唯一の方法だ。データはまだないが、神澤医師の経験では、胆嚢壁肥厚が認められた人にMRIを行うと、合流異常の非拡張型がしばしば見つかるという。 

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