がんと向き合い生きていく

肝臓がんのほとんどは肝炎ウイルスの感染が原因

都立駒込病院の佐々木常雄名誉院長(C)日刊ゲンダイ

 また、「肝動脈塞栓術」といって、がんが栄養としている部分の肝動脈を詰めてしまい、栄養供給を絶つ方法があります。さらにこの時、肝動脈に抗がん剤を注入する方法(動注化学療法)を行うことがあります。がんに直接高濃度の抗がん剤が届くことから、点滴による全身化学療法よりも治療効果が高く、副作用も少ない方法です。

 近年、C型肝炎ウイルスに対する新しい治療薬が開発されてきました。C型肝炎を内服薬で治す時代となり、今後、肝臓がんは急激に減ってくると思われます。

4 / 4 ページ

佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。