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米学術誌が発表 チップを乗せるだけで皮膚や血管が再生

米オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターの公式(HP)

 親指の爪ほどの大きさのナノチップを皮膚の上にのせるだけで、傷ついた皮膚や血管が再生する――。まるでSF映画のような治療法が近い将来、現実になるかもしれません。

 米学術誌「ネイチャー・ナノテクノロジー」に発表されたのは、オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターのチームが行っている研究です。「ティシュー・ナノトランスフィクション」というナノテクノロジーを使えば、細胞をリプログラミングして再生できるというのです。

 まず、ナノテクノロジーを使ったチップを皮膚の上にのせます。微量な電流を使ってDNAまたはRNAの形で遺伝子情報を1つの皮膚細胞にピンポイントで注入。するとその皮膚細胞がリプログラムされて、傷ついた皮膚を治す機能に変わるというのです。

 研究チームはすでにマウスを使った実験に成功しています。ケガをしたマウスの足にチップをのせてDNAを注入したところ、2週間目には皮膚細胞が血管の細胞に変わり、3週間目には足は完全に治癒しました。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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