いまさら聞けない歯科インプラント

歯科医師の選び方は“口コミ”が一番

口コミが一番
口コミが一番(C)日刊ゲンダイ

 結果的に歯科インプラント(以下インプラント)で満足のいく結果を得たいのなら、腕の良い歯科医師に治療を任せられるかどうかに尽きる。どうすればいいのか。自由診療歯科医で、「八重洲歯科クリニック」(東京・京橋)の木村陽介院長に聞いた。

「インプラントは手術だけでなく、その後に長いケアが必要となります。その意味でどんな歯科医師を選ぶかは重要です。技術的に未熟な歯科医師が少なくなく、事故があることも考えると“近い”というだけで歯科医師を選ぶべきではありません。自分の歯を一生任せていける、信頼できる歯科医師かどうかで選びましょう。歯科医師側からみれば、インターネットや本の記述は患者さんを得るための宣伝です。それだけで判断してはいけません」

 一番いいのは、実際に会って話をすること。自分が受ける手術の具体的な内容について、分かりやすく丁寧に説明してくれるか、治療を任せられるかどうかを探るしかない。

「先に述べたように、インプラントは外科手術ですから誰が手掛けてもリスクはあります。当然、インフォームドコンセント(説明と同意)が必要です。インプラントのメリットばかり強調して、これをおろそかにする人は気をつけなければいけません。また、実績ばかり強調する人もどうかと思います。何千本の実績があろうが、患者さんにとっては自分が治療を受ける一本一本の歯にどれだけ誠実に取り組んでくれるか、が問題です。まじめで誠実で、何よりも勉強熱心な人を選ぶべきでしょう」

 とはいえ、良い歯科医師を探すために、のべつまくなしに歯科医師に会うわけにはいかない。

「ならば、実際にインプラント治療を受けた患者さんに聞くことです。知人を通しての口コミは信頼できる情報源です。かかりつけの歯科医院で働く、経験10年以上の歯科衛生士さんに聞くのもいいかもしれません。衛生士さん同士のネットワークがあり、その地域でインプラントを手掛ける歯科医師の評判を知っている可能性があります」

 歯科技工士の知り合いがいれば彼らに聞くのもよい方法だ。

「さまざまな歯科医院と付き合いがあり、各歯科医師の実力も知る立場にいるからです。ただし、インプラントを手掛けていない歯科医師に聞くのは控えた方がいいかもしれません。インプラントを手掛けている歯科医院から患者紹介の依頼を受けていて、患者紹介と引き換えにお歳暮・お中元などの見返りを得ている可能性もあります」