そんな事情から、アンジーは乳房の予防切除に踏み切りましたが、BRCAを標的にした治療薬の開発は進んでいます。トリプルネガティブの中には、BRCA変異群も含まれていますから、薬の登場で治療の可能性はさらに広がるのです。
「トリプルネガティブ」も早期ほど予後は良好ですから、検診と同様にセルフチェックも大切。ネガティブなイメージに振り回されてはいけません。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁
1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。