診察が終わり、Gさんは病院の外のベンチに座りました。ずっと頭の中の整理がつきません。
本当にがんなのか? 手術できない? 抗がん剤治療を自分で選べって? 信じられない。ウソだ。こんなに元気なのに! 診断が間違っているのではないか? こんなに真面目に働いてきたのに、何も悪いことをしていないのに……。どうして自分がこんな目に遭うんだ。あの医者はしゃあしゃあと言いやがって……。あの看護師も何なんだ! 「早くどうするか決めてください。ベッドは混んでいますので」だって!?
俺は末期がんなのか?がんで有名な病院に移るべきか? でも、また最初から検査し直しになるのか……。膵臓がんは助からないって言うじゃないか。俺は死ぬのか? 抗がん剤は本当に効くのか?
帰宅したGさんは、夜になって奥さんに打ち明けました。その際、まだ聞きたいことがたくさんあることに気づきました。病気のこと、入院期間のこと、治る可能性はあるのか、会社は辞めないといけないのか……。
がんと向き合い生きていく