がんと向き合い生きていく

がんと診断されて納得いく治療を受けるために必要なこと

都立駒込病院の佐々木常雄名誉院長(C)日刊ゲンダイ

 がん治療に臨む際は、しっかり医師の説明を聞いて、納得して治療を受けることが大切です。がんと告げられた時は頭の中が真っ白になるのは無理もありません。その時はもう一度、日を改めて別に時間をとってもらい、家族や友人と一緒に説明を受けましょう。そして、聞きたいことを事前にメモしておくことです。

 説明を受ける時は、まず正確な病名を聞いてください。そして病気の進み具合、たとえば胃がんならがんの大きさ、壁の中での深さ、転移はあるのか、転移があれば近くのリンパ節なのか、遠い臓器まであるのか……。 がんのステージ(病期)は1から4まであります。ステージ1は早期、ステージ4は遠隔転移あり(肝臓、肺、骨など)です。これで治療法が変わってきます。

 がんと診断された時、闘いのスタートラインに立ったのです。まずはしっかり説明を聞いて、納得して治療をどうするかを決めるのです。どうか、負けないで一緒に闘いましょう。

 ステージ4でも治った方はたくさんいらっしゃいます。応援しています!

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。