クスリと正しく付き合う

「生活習慣病」ための薬はずっと飲み続けなくてもいい

「サイレントキラー」を追い払え(C)日刊ゲンダイ

 では、数値を改善するためにはどうしたらいいのか? 生活習慣病ですから、生活習慣を改めればいいのです。

 薬をやめるためには数値を良くする。数値を良くするためには、生活習慣を見直すしかありません。

 たとえば降圧剤なら、減塩や運動を続けるなど生活習慣を改め、朝晩きちんと血圧を自己測定して数値が安定してくれば、薬を減らしたり、やめることもできます。担当医に相談してみましょう。

 投薬治療の必要性を見極めるには基準があります。血圧は「140/90㎜Hg以上」で薬を飲みますが、この基準値は生活、体格、年齢によって異なります。75歳以上の目標値は「150/90㎜Hg」で、それ以下では薬を使わなくてもいいのです。

 ただし、生活習慣の改善はなかなか言うほど簡単ではありません。医師は、血圧が高い状態が続くことで起こる心血管疾患などを防ぐために必要だと判断して薬を処方しています。生活習慣の見直しが難しい方は、薬をやめるとリスクが高くなるといえるでしょう。次回、降圧剤について詳しくお話しします。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。