5年ぶり指針改訂 高コレステロール薬はやはり飲むべきか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 日本動脈硬化学会は6月末、5年ぶりの改定となる「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」を発行した。知っておくべき動脈硬化予防のポイントを、同学会理事長で、りんくう総合医療センター病院長の山下静也医師に聞いた。

 動脈硬化になると、血管壁の内側にコレステロールが蓄積し、血管壁が盛り上がってコブのようになり、血液の流れが悪くなる。コブが破れると血栓ができ、血液の流れが止まる。

「動脈硬化が原因の病気は狭心症や心筋梗塞といった冠動脈疾患、脳卒中、腹部大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症などです」

 冠動脈疾患などの心血管疾患は日本人の死因第2位。心筋梗塞発生率は過去10年で上昇傾向にある。脳血管障害が死因第4位であることも加味すると、動脈硬化予防の重要性がよくわかる。

 これに大きく関係しているのがコレステロールだ。複数の研究で総コレステロールとLDLコレステロール(=LDL―C。いわゆる「悪玉」)が上昇すると、心血管疾患のリスクも上昇するとの結果が出ている。HDLコレステロール(「善玉」)は高くなるにつれ心血管疾患リスクが低下するため、要注意はLDL―Cとなる。

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